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動物栄養学に基づいた腎臓ケア療法食の比較ポイント
1腎臓ケア療法食とは?

腎臓が悪いワンちゃんに適した栄養バランスに整えられた食事のことです。
腎臓の調子が悪いワンちゃんには、腎臓をはじめとした、内臓に負担がかからないような栄養バランスの食事が必要です。
ワンちゃんの腎臓やその他内臓への負担を和らげるためには、「タンパク質」や「脂質」を適度に制限することが大切です。
また、腎臓病が進むと、リンやカリウム等を排泄することが難しくなります。これらが蓄積すると、ミネラルバランスが崩れ、骨がもろくなったり、高カリウム血症による手足の痺れ、不整脈のリスクが高まったりします。
腎臓はこの他に「水分の調整」も担当しており、ナトリウムが増えると腎臓の負担が増すだけでなく、他の臓器にも影響を与える可能性があります。
これらを考慮して、腎臓病の場合は腎臓やその他内臓に負担をかけないような「栄養制限」が必要になってきます。
ただし、極端な「栄養制限」にはデメリットもあります。タンパク質が18%前後、脂質が10%以下、リン・ナトリウム・カリウムもAAFCO基準の最低値を満たしつつ、栄養バランスが整った療法食がおすすめです。
さらに腎臓病はシニアに多い疾患であることや、ワンちゃんの状況よっては流動食として使用することも考慮して、ドライフードの形状やふやかした場合の特徴なども、各フードの詳細ページにまとめてみました。
腎臓ケア療法食を選ぶポイントは、下記の5つになります。
- タンパク質の量と質
- 脂質の量と質
- 炭水化物の種類
- リンの量
- 特別栄養成分の有無
この5つのポイントについて、次からひとつひとつ解説していきます。
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※2023年12月現在、各サイトに記載されていた情報を参考にしています。
※掲載金額はすべて税込価格
2タンパク質の量と質

腎臓は「老廃物をろ過する」役割を果たしています。
腎臓の機能が低下すると、これらの老廃物が腎臓から排泄されずに体内に蓄積し、腎機能の悪化や尿毒症などが引き起こされることがあります。
そのため、老廃物の蓄積を最小限に抑え、腎臓の負担を軽減するためには、「タンパク質」を適度に制限することが重要です。
腎臓や内臓疾患がある場合の理想的なタンパク質比率は、16%~20%の低タンパクとされています。
タンパク質は筋肉や細胞の生成・再生に関与する栄養素であり、過度に制限されると細胞生成能力に悪影響を与える可能性があります。
つまり、タンパク質比率は高すぎず低すぎず、バランスを取る必要があります。

タンパク質
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3脂質の量と質

脂質は犬にとって必要な栄養素ですが、過剰に摂取することで糖尿病や高コレステロール血症、肥満など多くの疾患に関与する可能性があります。そのため、内臓疾患がある場合の脂質摂取量は10%以下が望ましいとされていますが、腎臓ケアの療法食では、タンパク質比率を制限するために10%以上の高脂肪フードが一般的になっており、膵炎など他の疾患の原因となることもあります。
このように脂質の適量は体の状態によって変わり、単純に「少なければ良い、高ければ悪い」というものでもありません。脂質の種類によってもメリット・デメリットがありますので、脂質の種類も重要となります。
脂質の種類
体内で固まる性質の油は「飽和脂肪酸」と呼ばれ、様々な健康リスクを引き起こす可能性があります。そのため、体内で固まらずに蓄積しない「不飽和脂肪酸」をバランスよく配合した療法食がおすすめです。
◆「飽和脂肪酸」:体内で分解されにくく、脂肪として貯蓄されやすい
→健康への影響、内臓負担
(例)バター、ヤシ油、動物性脂肪
◆ 「不飽和脂肪酸」:体内に蓄積されにくく、代謝を促進する
(例)菜種油、オリーブ油、亜麻仁油、生魚(DHA/EPA)など
不飽和脂肪酸の中でもオメガ3脂肪酸やオメガ9脂肪酸は、炎症に対して細胞維持の作用があると言われています。また、これらは脂肪として体内に蓄積されにくいのが特長です。

脂質
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4炭水化物の種類

炭水化物は、主に生命活動を行うためのエネルギー源として機能しています。
炭水化物は体内で主にブドウ糖として存在し、同時に食物繊維の供給源にもなっています。
炭水化物の摂取においては、量と質の両方が重要となり、単純に摂取量だけで、がんや内臓疾患への影響を判断することはできません。
炭水化物は2つに分類される
炭水化物には、吸収が容易な「易消化性炭水化物」と、消化が難しい「難消化性炭水化物」の2つがあります。
一般的に、白米は代表的な「易消化性炭水化物」の例とされ、これはブドウ糖に変換されやすく、血糖値の急激な上昇を引き起こす可能性があると言われています。このような炭水化物は、病気を引き起こすリスクが高まるとされています。
一方で、「難消化性炭水化物」は食物繊維が豊富で、ゆっくりと吸収される特徴があります。これは糖質の吸収を抑制し、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があります。したがって、どのような性質の炭水化物を摂取しているかが、病気への影響に大きく関わる重要なポイントです。
炭水化物の摂取割合(%)以上に、摂取する炭水化物の性質が、健康への影響に対して重要であると言えます。
炭水化物
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5リンの量

一般的な腎臓ケアドッグフードは、リンやナトリウムなどのミネラル成分を制限して、腎臓の負担を和らげるように調整されています。
ただし、過度なリンやタンパク質の制限は、細胞形成にも悪影響を与え、筋肉の衰えや毛並みのパサツキなど、かえってデメリットが生じる可能性があります。
ビタミンやミネラルについても、極端な制限や過剰な補給ではなく、微量をバランスよく摂取することが重要です。あまり極端に制限されたフードを長期間使用する際は注意が必要です。
バランスを取りながら、腎臓への負担を軽減しつつ、必要な栄養素を適切に摂取することが犬の健康維持にとって重要です。

リン
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6特別栄養成分の有無

腎臓に疾患を抱えるワンちゃんには、適した栄養バランスの食事を提供することが「腎臓に負担をかけない」ために必要です。
さらに、体の状態を維持するためには、和漢植物やファイトケミカル、特定のアミノ酸などの特別な栄養成分を含む療法食が必要です。
特別栄養成分
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※2023年12月現在、各サイトに記載されていた情報を参考にしています。
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加熱や加圧で壊れやすいフィトケミカルを封じ込めた特殊製法の粒(AFSタブレット)を配合した、腎機能や泌尿器の健康維持を目的としたフード
- タンパク質14%、リン0.28%と、AAFCO基準の最低値よりもかなり低い設計。【参考】AAFCO基準最低値:タンパク質18%/リン0.4%
- タンパク質源として、アンモニアの発生率やリンの吸収率が少ない加水分解タンパク質を使用。また、フードに起因する食物アレルギーにも配慮
- 脂質として鶏脂肪の他、魚油を使用
- オメガ3:6の比率は調整されているものの、タンパク質制限の代替エネルギー源として17%と高め。【参考】同社シニア対応用:約10.5%
形状 |
![]() 平たい円状の粒(AFSタブレットはハート型)で、ややべたつきと香りが強め。 ![]() ![]() |
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メイン原材料 |
![]() 米・ポテト・加水分解されたポテト・鶏脂肪・魚油・魚粉(ニシン)・ビートパルプ・ミネラル(Ca・P・Na・K・Mg・Zn・Fe・Se・I・Cl・S・Cu・Mn)・BioMOS(マンナンオリゴ糖)・FOS(フラクトオリゴ糖)・ユッカシジゲラ・DL-メチオニン・コリン・ビタミン( A・D3・E・C・PP・ビオチン・B12・パントテン酸・B2・B6・葉酸・B1・βカロチン)・銅アミノ酸キレート・ローズマリー(酸化防止剤として使用)
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特長 |
![]() フィトケミカル成分を腎機能・泌尿器の健康維持を目的として配合
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安全性 |
![]() ・無農薬/オーガニック/海洋汚染の少ない海の魚使用(CCPB=イタリア農水省オーガニック商品)
・科学的な保存料 ・着色料 ・香料 全て不使用 ・酸化防止剤(ローズマリー) 使用 |
通常価格(税込) |
![]() 5,280円/2kg
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定期購入価格 (税込) |
![]() なし
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独自のプレバイオティクス繊維ブレンドを採用。腸内細菌を活性化して腎臓の健康をサポート
- タンパク質の乾物量15%、リン0.29%とAAFCO基準の最低値よりも、かなり低い設計。【参考】AAFCO基準最低値:タンパク質18%/リン0.4%
- タンパク質源としてエンドウマメ蛋白、トリ肉エキス等加工タンパクも使用
- 脂質として主に動物性・植物性油脂の他、魚油を使用。タンパク質制限の代替エネルギー源として22.4%とかなり高め。【参考】同社シニア用:約20%
- 炭水化物源として米とトウモロコシ使用
- 世界的に大きなシェアを占める大手メーカー。獣医師が推奨することが多く、入手しやすい
- リンがより少ない植物性タンパクをメイン使用しているが、その分動物性タンパクが少ない
形状 |
![]() 平たい丸状の粒でべたつきがあり、香りが強め。 ![]() ![]() |
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メイン原材料 |
![]() 米、動物性油脂、トウモロコシ、ビートパルプ、全卵、エンドウマメ蛋白、トリ肉(チキン、ターキー)エキス、植物性油脂、エンドウマメ、魚油、セルロース、亜麻仁、ポークエキス、小麦など
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特長 |
![]() 米国本社で研究・開発され、厳密な品質管理のもと、米国の工場で生産
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安全性 |
![]() ・着色料・香料不使用
・酸化防止剤としてミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物使用) |
通常価格(税込) |
![]() 3,400円/1kg~
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定期購入価格 (税込) |
![]() なし
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フランス本社の栄養学専門家チームが開発。世界中で規格が採用され同じ品質基準のもと製造されている食事療法食
- タンパク質12%、リン0.20%とAAFCO基準の最低値よりも、かなり低い設計。【参考】AAFCO基準最低値:タンパク質18%/リン0.4%
- タンパク質源として、アンモニアの発生率やリンの少ない加水分解タンパク等、加工タンパクを使用
- 脂質として主に動物性油脂の他、魚油を使用。タンパク質制限の代替エネルギー源として16%と高め。【参考】同社シニア用:約12%
- 大手フードメーカー傘下にあり、ペットショップや量販店などでも入手しやすい
形状 |
![]() 平たい四角状の粒でべたつきがあり、香りが強め。 ![]() ![]() |
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メイン原材料 |
![]() 米、コーンフラワー、動物性油脂、コーングルテン、コーン、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、植物性繊維、大豆油、サイリウム、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)など
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特長 |
![]() 米国本社で研究・開発され、厳密な品質管理のもと、ヨーロッパの工場で生産・高消化性のタンパク質を配合
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安全性 |
![]() ・着色料無添加
・保存料としてソルビン酸カリウム使用 ・酸化防止剤としてミックストコフェロール、ローズマリーエキス使用 |
通常価格(税込) |
![]() 4,881円/2kg(製品により異なる)
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定期購入価格 (税込) |
![]() 4,881円/2kg(製品により異なる)
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